虐殺刑事 渡蒼 (B6/36P/500円 2019.11.24発行)
今から二十年前――全国各地において、一斉に小学生の男女が誘拐されたという大事件が起きた。
その数は占めて五百六十五人。
その内二百三十名が後に無残な遺体として発見され、三百十三名が怪我の大小はあれど解放された。
残りの二十二名は未だに生死不明とされており、未だにその全容は解明されていない。
というのもその誘拐事件が個人ではなく団体で行われたと思わしき点と、もう一つ。当時生還した児童が揃って不可解なことを話したこと。
『島へ行った』『精製された』『青い光を見た』と――生還した児童が全員が全員同じことを話すため、彼らのことはアイランドチルドレンと呼称されるようになった。
当初はその事件で生還した児童たちは奇跡だと持て囃されたが、やがてそんな話も聞かなくなり子供たちも成長した。
――まさか子供たちには“殺戮因子”が投与されていたなんて、誰も知る由は無い。
SF要素もある刑事物の現代小説、一冊完結です。